クリスマスは憂鬱 [戯言]
クリスマスはいまやクリスチャンが殆どいない日本でも欠かせない一大イベントとなっていますが殆どがクリスチャンというフィリピンではもう、10月くらいからクリスマスに向かって人々は浮かれ始めています。12月に入ってからそれに拍車がかかり、毎日憂鬱なのは私だけではないはず。
タクシーに乗れば「クリスマスなんだから少し色をつけてよ」といわれ、顔なじみの店に行けば「クリスマスプレゼント忘れないでよね~」とねだられ、車が信号待ちをすれば子供達がべたべたと窓ガラスに張り付いて調子ハズレの歌を歌って小銭を乞う...。もう10年以上おなじみの光景なのですが毎年胃が痛くなります。「じゃあ、クリスマスなんだから少し安くしなさいよ」等といってみても「ナニ言ってんの、あんたは日本人でお金もちなんだからあなたがくれるのが当たり前でしょ」とこともなげに言われてしまいます。確かに日本の企業から駐在できている方や大手の同業者はみなさん裕福な生活をしていらっしゃいます。私のように一部屋のアパートに住み、爪に火を灯すような暮らしをしている方は少ないでしょうからそういわれるのは仕方のないことなのですが...。
富嶽庵様の言われるようにこちらでは企業やお金持ちのおうちにクリスマスに「なにかいただけませんか?」とお願いをするのはごく普通のことのようです。しかもファックスやテキストでなんてびっくりです。
ご多分に漏れず、うちのお店にも協賛や寄付のお願いが届いています。バスケットボールを始め(Mikasaというブランドのという指定つきでした)、孤児院、慈善事業団体、バランガイ(最少行政単位)などです。口には出しませんがうちのスタッフ達だってボーナスやクリスマスプレゼントを期待しているのは言うまでもありません。残念ながらまだ今年はボーナスを払えるほどゆとりがないのでプレゼントとパーティで勘弁してもらうつもりですが...。うちはまだ小さい企業だからいいのですが、マニラに住む知り合いの方のご主人がお勤めになっている会社は毎年「クリスマスギフト予算」なるものが年度始めに組まれるそうです。取引先をはじめイミグレーション、税関のお役人そして訳のわからない「仲介人」などこの時期にはファックスやテキストでおねだりが届くとか。過去届いたものは
三菱パジェロ・フォードエクスプローラー(グレードと色まで指定アリ)
SONYのテレビを始め日本ブランドの家電
IBMのパソコン
携帯電話最新機種
ローレックスの腕時計
貴金属
などだそうで、一番びっくりしたのは「マカティのコンドミニアム」だそうです。弁護士が「あなたの会社のために落ち着いた環境で仕事ができるところが必要」だからだとか。そしてその企業は殆ど全てのおねだりのギフトを届けたというから驚きです。
この国は「コネ」がキーポイント。どれだけ偉い人と繋がりがあるのかで会社の運命が決まってしまうといっても過言ではないかもしれません。つまり日本の大企業がその人たちから睨まれたらもう明日はない、ということを意味するようです。うちのような小さいところは偉い人を知っていても知らなくてもあまり変わりはないのですが日本経済を握るような企業はおねだり軍団に企業の未来の一部を握られているわけですから、大変ですね。
さて、写真は今年のエンジェルマリンのクリスマスギフト限定品100個です。中央にアロマジェルキャンドルが1つと、周りに手作り石けんが6個。かわいいココナツの殻に入っています。マクタン国際空港国際線出国ロビーイミグレーション通過後の「ノースウィングカフェ」とエンジェルマリンでのみの販売です。まだあと50個くらい残っています。よろしければセブのお土産にどうぞ
いやー、クルマだのコンドミニアムだの何考えてるんでしょうね。セブの入国審査で並ばずに横の事務所でスタンプを押してもらってサッサと通る日本人を時おり見かけますが、まさにそのご利益なんですね。
by 富嶽庵 (2005-12-08 23:43)